結局の話
明日は学校がない土曜日で、好きな先生の住んでる町のラブホテルに、マックをテイクアウトして行った。二週間ぶりに会う、お友達の年上の男の子はなんだか現実だった。今日はツインテールなんだね、って助手席に座るわたしに手を伸ばしたあの子の顔は、眩しすぎる夕焼けで見えなくなっていた。渋滞に引っかかった時にはまっくらで、初めて会った日のわたしにはやっぱりなれなかった。サガミオリジナルでずっと動画を撮られてた、補習終わりの華金の放課後
契約をしたいなって言ったら魔法少女にでもなるの?って言われて嬉しかった
いつだってぼんやり錯乱してるんだよ
今日、隣の席の男の子が持っていた緑のシーブリーズをなんていうやつか聞いた。青リンゴじゃないかって期待していたけれど違って、現代文の授業で夏目漱石のこころを交互に音読した
母親が真っ赤なカーディガンを買っていて苛ついた
私に似合うと言った赤の、私の似合わないカーディガン
気持ちの悪い夜と言葉
「それでも私が好きだったんだろ」
きらきらしてる女の子
気付けられない哀れな群衆
唯一無二と絶対的をお守りみたいに繰り返している
もうあの娘は私を知らないふりして優しくしてなんてしないんだ
好きじゃなくなったから戻れないんだよ 何も知らずに好きでいたように
私の言うあの子 あの人は何人もいる
君じゃないんだよ 分かる?
壊れた部屋から月日を 見下ろすよ
私が「それでも私が好きだったんだろ」って言うんだよ