グアムの話

修学旅行でグアムの海に行ったとき、友達に「みこちゃんはひとりでも分かってくれる人がいるからいいじゃん」と言われた

蕁麻疹が出たのを理由に4日目の海に入るのをやめたけど、本当は私は海にはいりたかったんだと思った

真っ赤な水着を着て 海に沈みたいって思ってた

水が好きな私なのにずる休みして見てたんだ

蕁麻疹なんて2日目の朝には直ってた

 

修学旅行の前日の夜母親に私を京都の大学に行かせたくなかった理由を聞いた

日本に帰って来た今日、成田空港から乗ったバスの中 過ぎてく東京の街を見てた

自分が東京の音大に行くなんてことは全然考えられなかった

いつか私の力で会いに行きたいなと思う人がいる東京

行ってみたいと思ってる東京

バスの中で東京おしゃれタウンをカジカジと聞いてたんだ

行きのバス 中目黒の真っ暗なトンネルで、出たかった電話が電波の悪さで届かなかった

 

両親に買ってもらった赤のスーツケースは、乱暴な空港の荷物運びで傷だらけになっていた

母親が、修学旅行の2日前に4泊分の下着を買ってくれていた

スーツケースも下着も クリスマスプレゼントだって思ったんだ

 無理して笑ってるような顔じゃないかって写真を見て思ったりしてみようとしたけど 疲れていたので眠った

愛されることを気持ち悪いって思って恐怖だって 本気で思ったんだ

 

 

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きらきらしてるかな

してるね

 

私に元気でいて欲しいって きっと私のお友達や家族は思うんだろう

元気なあなたがいいって 言うんだろう きっと

悲しい私もそのままでいいって言われたいってグアムのホテルで日記に書いた

悲しい落ち込んでる私にたまに会って

隣でただ一緒にいてくれたら嬉しいなあって思ったりした

冬がおわって春になれば元気になるんだよ

 

ホテルで看護師さんに「私はあなたのことめっちゃ心配してるんだよ」って言われて めちゃめちゃに気持ち悪くなった

海に行く4日目に仲良しの保健室の先生が遅れて他のクラスの引率でやってきて、ちょうど一緒に海に行く日程だったらしくて ホテルにひとり残ろうとしてた私に、何言ってるの大丈夫だよ 一緒に行こう、と言ってくれたの 嬉しくておしゃれして海に行ったけど 本当は怖いんだと言いたかったんだろう 私は

私のことを何もしらない 興味本位で見てくる人がたくさんいる学校で 援助交際でもないのに体を出すのが怖かったんだ

海も泳ぐのも水に沈んで空を見るのも 中学生のころから子供のころから本当に好きな私なんだよ

それでも 修学旅行のグアムの海は入りたいって強くは思わなかった

好きな保健室の先生の前では 好きな人の前では元気な私でいたいと思ってしまうんだ 

そうして欲しいと思われていることがもう分かるようになってしまったから

 

みんな私を見て笑ってる

先生も先輩も好きな人も

みんな私が笑ったら笑ってくれる 笑ってる

修学旅行の前の日の夜、ずっと一人で泣いていたんだよ

 

愛されることが怖かった

 

ずっと何も 私自身のことを何にも見てくれないと思っていた母親に 初めて私に彼氏ができたときどれだけ心配したか分かってないでしょって母親に泣きながら言われた

気持ち悪かったし怖かった

私のことを何にも知らない

 

助けてって思って すごくすごく怖かった

 

泣き叫びながら言った

私がどれだけひとりなのか 私がどれだけ音楽を好きか 

だからたばこなんて吸ったのかと言われた

言われること全部冷たくて勝手だった

もう何も知られたくなかった

 

私が泣き止んで自分の部屋に戻ろうとしたとき 母親に涙声で私の夢を笑って悪かったねと言われた

気持ち悪かったし最悪だった

私が援助交際してるって知ったらどうなるんだろうって考えた

どうしようもなく一人で怖くてずっと泣いていた

 

楽しくしてればいいのに

ひとりなら幸せになれるし 何も知られなければ幸せになれる方法も見つけた

たのしいよ

一人で十分楽しくて幸せな今の私

悲しい私に会って欲しいと勇気が出なくて言えない

 

泣いている姿を怖い母親にしか見せたことがない

いつ好きな人の前で泣いている声を聞いてもらえるんだろうって思ったりする

元気じゃない私は誰にも知られないほうがいいんだろうか

怖くて泣いてるだけだよ

 

夏が来たら、真赤な水着を着て泳ぎに行きたいなあと思う

援助交際のお金でGODIVAのチョコレートを買った

クリスマスの日、援助交際の21歳の人に会いたいと言われたけれど その日から多分生理が来る

感情は文じゃなくて言葉がいいよおと思ってちょっと悲しくなった

グアムは、なんかエロかった