泣きたいなら

わたしの大きくを作った秋に、出会った人に会いに行くことになった。もうすべて過ぎてしまったけれど決して消えてはいない時期をいくつも巡って、またもうじき同じ季節が来る。その人のことをたまに思い出すとわたしはいつも気持ちが明るくなった。このひとを見つけられて良かったとあの時思ったの。自分のひなたを生きているひとだと私は思っているの。

わたしはどんなかな。いつもまわりに目を奪われているかな。それでも自分で選んだまわりの景色を眺めてきた。行きたいところにたくさん行って、会いたい人に会いたいと言って。

3年ぶりくらいに会う。ついこのあいだそのひとと電話口で話している自分が、会わないあいだに変わったと思った。自分で好きな自分に変えたのだと気づいた。けれどこのひとと出会った秋、好きだった自分らしくはなかった。